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政治

岸田降ろしの「青写真」

「選挙の顔」を誰に代えるか

2023年12月号

「えっ、何だって」
 十一月十九日、岸田文雄首相は広島県三次市で行われた妻・裕子の父、和田邦二郎の葬儀からの帰路、読売新聞の世論調査結果を周囲に伝えられると二度聞きした。内閣支持率が十月調査から十ポイント下落し二四%で、二〇二一年の岸田内閣発足以来最低。一二年十二月の自民党政権復帰以来、初の二割台というおまけもついた。
 岸田は十月十五~十九日の日程で米国サンフランシスコを訪れ、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の出席に合わせ、バイデン米大統領、中国の習近平国家主席、韓国の尹錫悦大統領らとの個別会談も行った。十八日にサンフランシスコで行った内外記者会見では支持率低迷に関し「調査の結果ですとか、指摘は謙虚に受け止めたい」と述べたものの、外遊直後の世論調査では「得意」の外交で支持率低下に歯止めを掛けられるとの期待をもっていた。その目論みもあっさり崩れた。
 読売と同時期に行った朝日、毎日の調査でも「政権発足以来、過去最低」「二割台」と厳しい結果だった。山田太郎文部科学政務官が女性問題で、柿沢未途法務副大臣が東京都江東区区長選を巡る公職選挙法違反事件で・・・

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