三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

池田大作と自民歴代首脳の「相愛」

《政界スキャン》

2023年12月号

 鎌倉由比ケ浜を見晴らす谷戸の中腹に、広壮なバラ園に囲まれた旧加賀藩主前田侯爵家の洋館が立つ。今の鎌倉文学館だが、かつては佐藤栄作首相が週末用の別邸に使っていた。公明党設立から一年余りの一九六六年一月八日夕、三十八歳の池田大作創価学会会長は、当時六十四歳の佐藤首相に同所へ招かれ、首相夫人が運ぶ料理を食べながら二人で歓談した。
「ご著書の『人間革命』第一巻読みました。総理より一庶民が偉いと書いてある。厳しいね」
 食後、佐藤は池田を三階の寝室まで案内し、話し続ける。
「学会は気持ちがきれいだ。純粋に国のためを思ってやっている。学会の力、組織はすごいね。我々も見習わなきゃいけない」
 もてなしは三時間半に及んだ。佐藤は日記に東京都議会での協力を取り付けたと書くが、それだけではここまでしない。同年末の「黒い霧解散」による六七年衆院選で、初挑戦の公明党は二十五議席を獲得し、衆参計四十五議席の第三党に躍進。自民党は初めて得票率五〇%を割り込む。いずれ国会でも公明党の懐柔が欠かせなくなると見越していたのだろう。
 佐藤は在任中それきり池田と会わず、・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます