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米国が「北朝鮮核保有」を認める日

トランプの世で起こり得る激変

2024年1月号

 年の瀬、米政治ニュースサイト「ポリティコ」が流した一本のニュースが韓国政府を騒然とさせた。トランプ前大統領が二〇二四年秋の大統領選で当選した場合、北朝鮮の核保有を事実上認め、核開発の凍結と経済制裁の緩和を軸とした交渉を検討するという。
 トランプ氏はSNSに「記事はでっち上げの偽情報だ」と投稿した。真相は闇の中だが、韓国の政府当局者や専門家たちは「ありうる話」と身構えている。ポリティコは、トランプ氏が周囲に、北朝鮮に核兵器を放棄するよう説得することは「時間の無駄だ」と語っていると伝えた。同じような考えを持つ米国関係者が増えているのも事実だからだ。
 二二年十月、バイデン政権のジェンキンス国務次官(軍縮・国際安全保障担当)はワシントンでのシンポジウムで「(北朝鮮の金正恩総書記が)電話で『軍縮について話したい』と言ったら、われわれは『ノー』とは言わない」と語った。「北朝鮮の核保有を認めるつもりか」と仰天した韓国政府は外交ルートで真意の確認に走った。慌てた米国務省も「北朝鮮の非核化を求める立場に変わりはない」というコメントを出す騒ぎになった。
 関係者の一人は・・・

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