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政治

岸田政権の「片づけ方」

政治改革「新リーダー」は誰か

2024年1月号

「いま、日本の政治はおおきな岐路に立たされている。(略)なかでも、政治と金の問題は政治不信の最大の元凶である」
 自民党派閥の政治資金パーティー事件で揺れる現在の政治状況への警句のようにも見えるが、これは三十年以上も前の文言だ。一九八八年に発覚したリクルート事件を踏まえ、翌年五月二十三日に自民党が決定した「政治改革大綱」の一節だ。
 大綱では派閥パーティーの自粛を打ち出したほか、派閥の「解消への決意」や総裁や党三役ら幹部、閣僚の在任中の派閥離脱も盛り込まれていた。こうした提言は骨抜きにされ続け、その後も九二年の東京佐川急便事件、九三年のゼネコン汚職事件、二〇〇四年の日本歯科医師連盟(日歯連)の迂回献金事件など「政治とカネ」を巡る問題が後を絶たなかった。
 二〇二三年十二月十九日午前十時、東京地検特捜部が政治資金規正法違反の疑いで自民党最大派閥、安倍派の事務所に家宅捜索を行った。同時刻、二階派にも捜索が入った。自民党派閥事務所への強制捜査は日歯連事件以来十九年ぶり。政界は再び「政治改革」がキーワードになるのは必定だ。
 時の宰相、岸田文雄は家宅捜索・・・

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