三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

WORLD

台湾海峡波高し

頼清徳の四年で何が起きるか

2024年2月号特別リポート

 台湾が民進党の頼清徳副総統を次期総統に選んだ。蔡英文総統の8年に続いて、中国と明確に距離を置く親米政権がさらに4年間続くことに、習近平総書記は衝撃を受けている。
 台湾の親米派継続が決まったことで、日本、韓国、フィリピンと合わせて、東アジアの「中国包囲網」が一段と明確に形をなしてきた。習主席率いる中国が、果たして台湾侵攻に踏み切るのか否かという問題も再浮上した。
 習主席には「台湾問題」での決断の時が迫っている。中国側の行動が遅れるほど、日米が態勢を整えてくる。
 そうなれば、中国にとっては不利になると見られているからだ。台湾侵攻の決断はあるのか、それは世界の安全保障をどう変えるのかを探る。

次期総統は「ディープ・グリーン」

 頼次期総統は当選後早速、「親米」をアピールした。1月下旬には、米議会下院の超党派の議員らが台湾を訪問し、次期総統と会談した。米議員たちからは、「彼は『ディープ・グリーン』だ」「素晴らしい後継者だ」と賛辞を浴びた。ディープ・グリーンという言葉には、「骨の髄・・・