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政治

二階派改め 「武田派」への暗闘

〝派閥解散“で「自民党乱世」の幕開け

2024年2月号

 マスコミが「リクルート事件級の大疑獄」と騒いだ自民党の政治資金パーティー裏金事件は、ほぼ無名な中堅議員三人の起訴(党除名)・在宅起訴(離党)・略式起訴(議員辞職)という尻すぼみに終わった。立件は他に高齢の派閥職員や議員秘書ら。大物議員は全員お目こぼしである。元々法律が報告書への不記載・虚偽記載を問う形式犯に限られ、共謀の立証は難しかったのに、世論をあおりすぎた。特に朝日新聞は「東京地検特捜部の広報宣伝紙か」(自民党幹部)と呆れられた。思い込みが先走り、報道の基本を外れていた。
 社会部の事件取材に限らない。政治部の政界取材でも、どさくさ紛れの誤報があった。昨年12月19日、特捜部が安倍派・二階派事務所を捜索し、先に閣僚・副大臣・党幹部が一斉辞任していた安倍派に続き、二階派の閣僚も態度を問われた時だ。法務・検察を担う小泉龍司法相は翌日派閥を抜けたが、自見英子地方創生相の離脱は22日にずれた。「林芳正官房長官が待ったをかけた。安倍派閣僚の一斉辞任について合理的理由が不明と批判されたのを気にして、小泉氏と日をずらすよう指示したからだ」(官邸幹部)。
 23日付朝日朝刊は・・・