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政治

岸田に差す「小池」の影

「次」を狙って蠢く女たち

2024年3月号

 消去法で選ばれたリーダーは、意外にしぶとい。本来は「つなぎ」のはずなのに、「次」が簡単に現れないのが世の常だからだ。そこに幸運が加われば、立場は堅固になる。自民党の派閥解消という捨て身の賭けに出て当面の延命に成功した総理大臣・岸田文雄も、この類だ。逆に言えば、強力な「次」、例えば東京都知事の小池百合子のような人物が参戦した時点で、幸運な政権の命運も尽きる。
 2月20日、文部科学大臣・盛山正仁に対する不信任決議案が否決されると、衆議院本会議場は自民党議員らの拍手に包まれ、壇上の盛山は深々と頭を下げた。
 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に対する解散命令請求を東京地方裁判所に提出した文科省を率いる盛山は、教団との過去の
〝関係〟を次々と報じられ、多くのメディアと野党は岸田に更迭を求めた。岸田は「教団側は政治家と一緒に写った写真をいくらでも持っている。そのリークで解散命令を阻止しようとしているなら一歩も引けない」と腹を固めた。
 岸田派(宏池会)出身で内閣官房長官の林芳正も、自身が旧統一教会との〝関係〟をつつかれていることもあり、「多くの人と会う・・・