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政治

《罪深きはこの官僚》大坪寛子 厚生労働省健康・生活衛生局長

紅麹サプリ問題でも 「省益」優先

2024年5月号

「被害拡大防止、原因究明に全力で当たっていきたい」
 3月27日、小林製薬の紅麹サプリによる健康被害問題に対応する関係省庁連絡会議の席上、厚生労働省の健康・生活衛生局長、大坪寛子はこう述べた。週刊誌に数々の話題を提供してきた、いわくつき医系技官である大坪が厚労省のとりまとめ役だ。
 この2日後に厚労省と小林製薬、国立医薬品食品衛生研究所による共同会見が開かれ、「プベルル酸」という物質の名前が唐突に公表された。健康・生活衛生局の総務課長は、「原因物質に関する一定の見解を話したい」と切り出し、同局食品監視分析官がプベルル酸に言及したのだ。
 同時刻に大阪では小林製薬の会見が行われていた。会場は、原因物質の情報が突如、東京から入ってきて混乱。厚労省による公表は、小林製薬側と摺り合わせて行われたものではなかった。厚労省はこの物質が原因と断定したわけではないが、実際にはプベルル酸が元凶であるかのような報道が行われ、小林製薬がその情報を隠蔽していたイメージが広がった。
 その後、ほかにも複数の物質が混入していたことが判明しており、3月時点での厚労省の情報発表・・・

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