ここらで「中選挙区制」に戻す時
多党化時代「政治改革」の奥の手
2025年10月号
選ぶ側は関心を持たず、選ばれる側は「土俵」が変わることを嫌がる。損得勘定では比較第1党にも最大野党にも有利に働く特徴があるため、30年以上も放置されてきた衆議院の選挙制度を改めようという声が、手負いの自由民主党から出ている。国会を対決色に染め、議員の質を落としたとも言われる制度を見直せるかどうかは、日本の統治機構の未来にとって分水嶺となる可能性がある。
9月22日に告示された自民党総裁選で、3度目の挑戦となった内閣官房長官の林芳正が掲げる公約集「林プラン」には、現行の衆議院小選挙区比例代表制をかつての中選挙区制に戻すことも含めた選挙制度改革の検討がひっそりと盛り込まれた。
物価高対策や党改革などに比べると注目度が高くなかったのは、選挙制度改革を唱えても選挙では票に結びつかず、時間とエネルギーも必要で、目先の安易な成果を志向する大衆迎合のポピュリズムにどっぷりと浸かった永田町で、実現可能性は低いと見なされてきたからだ。
それでも、総裁選告示前の9月18日に立候補を表明した林が同日夜のBS番組で「中選挙区制の方が連立協議をしやすい」と述べ、自民、公明両・・・
9月22日に告示された自民党総裁選で、3度目の挑戦となった内閣官房長官の林芳正が掲げる公約集「林プラン」には、現行の衆議院小選挙区比例代表制をかつての中選挙区制に戻すことも含めた選挙制度改革の検討がひっそりと盛り込まれた。
物価高対策や党改革などに比べると注目度が高くなかったのは、選挙制度改革を唱えても選挙では票に結びつかず、時間とエネルギーも必要で、目先の安易な成果を志向する大衆迎合のポピュリズムにどっぷりと浸かった永田町で、実現可能性は低いと見なされてきたからだ。
それでも、総裁選告示前の9月18日に立候補を表明した林が同日夜のBS番組で「中選挙区制の方が連立協議をしやすい」と述べ、自民、公明両・・・