農政改革「挫折」のシナリオ
進次郎でも米価は下がらない
2025年10月号
「コメの増産にかじを切る」と意欲を示していた石破茂首相だが、制度設計どころか構想すら示せないまま退陣、農業政策の転換は次期政権に委ねられた。石破政権の瓦解は少数与党の限界を露呈しており、新政権が発足しても政権基盤は弱く、自民党内の調整も難しい。農政改革は停滞、挫折する恐れがあり、その鍵を握るのは農林族だ。
「もう少しだけ内閣総理大臣でございます」―。任期が残り少なくなった9月中旬以降も、石破首相は精力的にさまざまな会合で祝辞依頼を引き受け、自虐的な挨拶で会場を笑わせるのが定番となった。例えば9月20日に東京・有楽町で開かれた「ふるさと回帰・移住交流推進機構」の移住相談イベントでは、「平成の大合併は何だったのか、行政の力はどうなったか」と当時の政策を批判、6月に閣議決定した「地方創生 2・0基本構想」の推進を訴えた。
9月7日の退陣表明会見で、首相は「意欲ある生産者の所得が確保され、不安なく増産に取り組めるよう新たなコメ政策へと転換することにしました。これは十数年前、私が麻生内閣の農林水産相を務めていた時からの強い思いでありました。今後その政策を具体化していくことに・・・
「もう少しだけ内閣総理大臣でございます」―。任期が残り少なくなった9月中旬以降も、石破首相は精力的にさまざまな会合で祝辞依頼を引き受け、自虐的な挨拶で会場を笑わせるのが定番となった。例えば9月20日に東京・有楽町で開かれた「ふるさと回帰・移住交流推進機構」の移住相談イベントでは、「平成の大合併は何だったのか、行政の力はどうなったか」と当時の政策を批判、6月に閣議決定した「地方創生 2・0基本構想」の推進を訴えた。
9月7日の退陣表明会見で、首相は「意欲ある生産者の所得が確保され、不安なく増産に取り組めるよう新たなコメ政策へと転換することにしました。これは十数年前、私が麻生内閣の農林水産相を務めていた時からの強い思いでありました。今後その政策を具体化していくことに・・・