米国の危うい「西半球」一辺倒
トランプ流モンロー主義の正体
2025年11月号
アメリカのドナルド・トランプ政権による中南米諸国への干渉が目立っている。反移民、反麻薬の名目で敵対する左派政権に対して軍事的、経済的な圧力を強める半面、思想的な盟友である保守ポピュリズム指導者を支援する。西半球を縄張りと位置付けるトランプの「新モンロー主義」が鮮明になりつつある。その余波は西半球にはとどまらない。
今年のノーベル平和賞はベネズエラの反体制指導者マリア・コリナ・マチャドが受賞した。これは、自らが平和賞にふさわしいと喧伝してきたトランプからの授賞圧力にさらされたノルウェーのノーベル委員会の絶妙な選択といえる。トランプ政権はベネズエラの反米左派ニコラス・マドゥロ政権の転覆を狙い、軍事圧力を強めているからだ。マチャドはノーベル平和賞を「トランプ大統領に捧げる」と表明し、インタビューで「アメリカ大統領の助けが必要だ」と訴えた。当初はトランプ政権内からノーベル委員会に対する批判の声が出たものの、トランプ自身はマチャドと電話で話したと明かした後、「あなたこそ受賞にふさわしい」と言われたと満足げに語った。
9月以降、トランプ政権は空母やF35戦闘機をカリブ海に・・・
今年のノーベル平和賞はベネズエラの反体制指導者マリア・コリナ・マチャドが受賞した。これは、自らが平和賞にふさわしいと喧伝してきたトランプからの授賞圧力にさらされたノルウェーのノーベル委員会の絶妙な選択といえる。トランプ政権はベネズエラの反米左派ニコラス・マドゥロ政権の転覆を狙い、軍事圧力を強めているからだ。マチャドはノーベル平和賞を「トランプ大統領に捧げる」と表明し、インタビューで「アメリカ大統領の助けが必要だ」と訴えた。当初はトランプ政権内からノーベル委員会に対する批判の声が出たものの、トランプ自身はマチャドと電話で話したと明かした後、「あなたこそ受賞にふさわしい」と言われたと満足げに語った。
9月以降、トランプ政権は空母やF35戦闘機をカリブ海に・・・









