日本維新の会共同代表・藤田文武が、公設第一秘書が経営する会社にビラ印刷費などの名目で７年にわたって計約２１００万円を支出していたことが、共産党の機関紙『しんぶん赤旗』にすっぱ抜かれ、「身内への税金還流」ではないか、との疑惑を呼んだ。
　国会議員秘書は、国会という華やかな表舞台の裏側で、日ごろ何をやり、どんな役割を果たしているのか。
　一口に国会議員秘書といっても公設秘書と私設秘書の２種類あり、両者は天と地ほどの違いがある。給料が公費（国税）で負担される公設秘書は３人のみで、しかも政策担当、第一、第二と区分がある「身分社会」なのである。
　このうち政策担当秘書のみ国家試験がある。早稲田大学在学中に資格試験に合格し、卒業とともに石破茂事務所に奉職した吉村麻央は約30年間、石破と行動をともにし、首相秘書官にも任命された。だが、吉村のような英語が得意で、政策に通じた「スーパー政策秘書」は少ない。試験に合格せずとも「選考採用審査認定」を受ければ資格が付与される「抜け道」組が大半を占めるようになったからだ。抜け道の条件は、国家公務員総合職や司法試験などの合格者のほか・・・