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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》東京大学「産学腐敗」

学問最高峰を蝕む「汚れたカネ」

2026年3月号

 凡百の人間なら「貧すれば鈍す」で済んでも、東京大学で医学系や工学系の教授になるぐらいの秀才なら「窮すれば通ず」の知恵が出てきていい。その努力を怠り、窮地につけ込む企業に乗せられるだけでは、たとえ動機が「組織のため」であっても、私利私欲の癒着としか映らない。そんな「産学腐敗」が、日本を代表する国立トップ大学を舞台に進んでいる。
 東大では2025年秋から26年の年初にかけ、医学部附属病院の整形外科准教授と医学系研究科の皮膚科教授が収賄容疑で相次いで逮捕され、東大病院長の辞任に発展した。ただ、一連の醜聞は属人的な問題ではなく、04年の国立大学法人化以降に進んだ運営費交付金の削減を背景に起こるべくして起こったとの指摘がある。組織維持のためには外部資金を調達するしかなくなり、「この状況に一部企業がつけ込んだ」(東大職員)という。
 外部からの資金調達そのものが悪いわけではない。問題は「外部資金を集められる教授にはものが言えなくなり、社会通念を逸脱した行為が蔓延するようになった」(同前)ことにある。

「脛に傷持つ」教授を利用する企業・・・

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