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社会・文化

日本の弱点「小笠原周辺」防衛

中国海軍の狼藉にどう対抗するか

2026年3月号

 経済安全保障の強化を訴える高市早苗首相にとってうれしいニュースだったに違いない。内閣府と海洋研究開発機構は2月、日本最東端に位置する小笠原諸島の南鳥島沖で水深約6千mの海底からレアアース(希土類)を含むとされる泥の引き揚げに成功したと発表した。高市氏は早速、自身のX(旧ツイッター)に「関係各位の尽力に敬意を表する」と投稿した。一方、浮かぬ顔をしている人々がいる。防衛省・自衛隊の面々だ。
 航空自衛隊トップの森田雄博航空幕僚長は1月20日の記者会見で、記者団から「太平洋防衛」について質問攻めに遭った。高市政権が今年、前倒しで改定する国家安全保障戦略に「太平洋防衛の強化」を盛り込む見通しになったからだ。森田氏は太平洋島嶼部の警戒監視態勢の具体的な強化策として、沖縄本島から東に約360㎞離れた北大東村と奄美市への移動警戒管制レーダーの整備を挙げた程度にとどまった。自衛隊関係者のA氏は「特に第2列島線の守りが心配だ」と語る。

「現状ではやられ放題」

 航空自衛隊が「太平洋防衛構想」を掲げたのは新しい話では・・・

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