「サケ」と川と人の物語
遡上する命を巡るアイヌの「悠久」
2026年10月号
秋サケの季節だが今年は特に不漁予想だ。海水温の上昇が海の幸を遠ざけているらしい。
北海道では「アキアジ」。海と川と森の恵みを一身に集め、生まれ故郷の清流に戻ってくる。食と暮らしに欠かせない魚だけに呼び名も多い。シャケ、シロザケ。繁殖雄はハナマガリ(青森・岩手)、産卵後のすり切れた姿をホッチャレ。トキシラズ(時不知)は春から初夏に沖で獲れる未成熟魚で、小ぶりだが美味。標準和名は単に「サケ」だ。
ヒグマが川でサケを獲る姿は木彫りや映像でなじみ深いが、東北や北海道でサケを口にできる幸福なクマは知床などごくわずかだ。ほとんどの川で、サケの遡上は採卵のためにウライと呼ぶ仕掛けによって阻止、捕獲され、クマがいる上流部に達することはまずできない。
北海道でのサケ漁制限は1878(明治11)年、開拓使が「繁殖と漁苗(稚魚)保護のため」として札幌郡の全河川でのサケ・マス漁を禁止したことに始まる。だが、この布達の裏には、別の社会政策も感じ取れる。採卵や養殖方法も確立していない明治初期に、早々と川でのサケ漁を禁止したのは、将来の官による資源独占と、アイヌ民族の移住や農耕・・・
北海道では「アキアジ」。海と川と森の恵みを一身に集め、生まれ故郷の清流に戻ってくる。食と暮らしに欠かせない魚だけに呼び名も多い。シャケ、シロザケ。繁殖雄はハナマガリ(青森・岩手)、産卵後のすり切れた姿をホッチャレ。トキシラズ(時不知)は春から初夏に沖で獲れる未成熟魚で、小ぶりだが美味。標準和名は単に「サケ」だ。
ヒグマが川でサケを獲る姿は木彫りや映像でなじみ深いが、東北や北海道でサケを口にできる幸福なクマは知床などごくわずかだ。ほとんどの川で、サケの遡上は採卵のためにウライと呼ぶ仕掛けによって阻止、捕獲され、クマがいる上流部に達することはまずできない。
北海道でのサケ漁制限は1878(明治11)年、開拓使が「繁殖と漁苗(稚魚)保護のため」として札幌郡の全河川でのサケ・マス漁を禁止したことに始まる。だが、この布達の裏には、別の社会政策も感じ取れる。採卵や養殖方法も確立していない明治初期に、早々と川でのサケ漁を禁止したのは、将来の官による資源独占と、アイヌ民族の移住や農耕・・・









