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経済

まやかしだらけのトヨタ「復活」話

章男栄えて「現場力」弱まる

2010年2月号

 トヨタ自動車が「メークドラマ」を仕掛けようとしている。主役は創業家出身の当の豊田章男社長。シナリオは「奇跡の黒字転換」だ。二〇〇九年三月期に創業以来の巨大赤字に沈んだトヨタ。一〇年三月期決算では当初、八千五百億円の営業赤字を見込んでいたが、昨年十一月に赤字見込みを三千五百億円へと縮小。年間の収益改善額も従来の九千億円から一兆二千五百億円まで積み上げると発表した。
「章男社長は一〇年三月期で黒字転換し、かつてのカルロス・ゴーン日産自動車社長のV字回復を上回る業績アップを実現しようとしている」と、地元記者は打ち明ける。章男社長は年頭の社内式典で、「黒字化までもう一歩のところまできた。一丸となって頑張ってほしい」と檄を飛ばしたという。

「第二の奥田碩」登場を恐れる


 二年連続の大幅赤字の「回避」が軌道に乗りつつある一方で、トヨタ社内には章男社長のカリスマ性を引き上げようとする動きが活発化している。なぜか?「黒字転換の手柄をゴーン社長のように独り占めしようとしているからだ」と、トヨタの内部事・・・