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社会・文化

地に墜ちた「特捜の権威」

小沢事件は「狂気の捜査」

2010年3月号

 一昨年秋の西松建設社員による裏金告発事件に端を発し、以来延々と続けられてきた小沢一郎・民主党幹事長に対する捜査は検察の完敗に終わった。検察は昨年春の第一ラウンドで秘書を逮捕したものの小沢氏に指一本触れられなかった。妄執の捜査続行で「水谷建設献金」「四億円土地購入」疑惑をほじくり出し、第二ラウンドに臨んだが、またも小沢氏に迫る材料を入手できず、二月四日、痛恨の不起訴処分を強いられた。特定政治家を"狙い撃ち"しての二度の失敗。検察は致命傷を負った。
 検察OBが特捜捜査を厳しく批判する。「前代未聞、狂気の捜査です。幹事長の首を取るのに、政治資金規正法の形式犯だけでは不足で実質犯的要素を付け加えようと、くどい捜査を続けたが、形式犯でさえ首を取れなかった。手持ち証拠もないまま突っ走った見込み捜査、思惑捜査の典型。検察幹部は検察史上に残る大失態を認識し、頭を丸めるべきだ。OBとして恥ずかしくて街を歩けない」。

捜査失敗の責任には頬かむり


「恥ずかしくて…&he・・・