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WORLD

韓国社会が抱える深刻な悩み

華々しい「躍進」の陰で

2010年4月号

 韓国の躍進が止まらない。サムスン電子に象徴される製造業は、日本企業を追い越した。先のオリンピックでのメダルラッシュのイメージも加わり、国の勢いは留まるところを知らないかのように見える。しかしその足元では、社会病理とも呼ぶべき症状がかの国を蝕み、それに悩んでいる。
 李明博大統領は三月一日、日本の植民地支配下の一九一九年に起きた「三・一独立運動」の記念式典で行った演説で、日本の歴史問題に全く言及しなかった。過去の例を引くまでもなく、極めて異例なことだ。
 大統領はこの中で、バンクーバー冬季五輪で金メダル六個を含む十四個のメダルを獲得した韓国勢の活躍に触れ、「彼らに暗い過去はもうない。わが国の若者は世界の頂点に向かって堂々と挑戦している」と称賛。さらに「新しい韓国人」などの表現で、未来志向の重要性を強調した。
 今年は日韓併合百年の節目に当たる。それだけに大統領の自然な対日無関心ぶりは、逆に韓国のみなぎる自信を覗かせた。

「生き辛い国」となり果てる


 韓国では、一九八・・・