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政治

「小沢の進退」めぐる虚々実々

「生方騒動」の内幕

2010年4月号

 三月二十四日、永田町にA4一枚の怪文書がばらまかれた。
「これを見れば、生方がいかにひどい奴かわかるだろう」
 民主党国対委員長代理の三井辨雄は、その夜、赤坂議員宿舎に集まった報道各社の番記者に怪文書をこれみよがしに見せびらかした。怪文書は、インタビューで小沢一郎を批判したことを理由に副幹事長を解任されかけた生方幸夫を罵倒する文字で埋め尽くされていた。曰く、「読売新聞記者出身といいながら支局採用で、ろくに働かなかった」「女癖が悪すぎる」「猫のえさ代に六十万円も使っている」などなど、悪口のオンパレード。「怪文書」と称するには、あまりにもお粗末なレベルに「こんなものをわれわれに見せてどうするつもりだろう」と記者たちはいぶかった。それほどまでに小沢側近にとって「生方の乱」の衝撃は大きかったのだ。

動かぬ「七奉行」の真意


 生方のインタビュー記事が産経新聞に掲載されたのは三月十七日。党政策調査会復活を求めて執行部批判を強めていた生方に対し、執行部は「副幹事長をはずす方針を固めていた・・・