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経済

「凋落」止まらぬ東急グループ

求心力なき悲劇

2010年8月号

「今、東京・渋谷の東急百貨店本店が売却されるというウワサが再び流れています。売り先は東急百貨店と提携する三越伊勢丹ホールディングスとされています」(流通大手役員)
 渋谷の東急本店といえば背後にある都内を代表する高級住宅地・松濤地区の上顧客をがっちりと?むなど、東急グループの「セレブ感」を演出する象徴的な存在。売却話はこれまでにも流れたことはあったが、百貨店という業態が「絶滅」に向かっている中、リストラにだけは長けた東急グループが今度こそ本気で切り離しにかかっていると考えても不思議はない。
 しかも同グループの中核である東京急行電鉄(以下、電鉄)が渋谷地区の再開発を進めている真っ最中。カネがいる。業界雀たちは早速「松濤に住む、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長あたりが買収に乗り出すのではないか」などと騒いでいる。東急グループ関係者も「本店は常に閉鎖の対象として検討されてきた」と打ち明ける。
 

「霞が関」顔負けの官僚経営


 だが、危・・・