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連載

西風 351

大阪の空に夢のブブゼラ
八木 亜夫

2010年8月号

 


 国際サッカー連盟(FIFA)の視察団一行が七月十九日、二〇二二年ワールドカップ日本招致委員会の招きで大阪へやって来た。さっそくヘリで、開幕・決勝戦の会場となる「大阪エコ・スタジアム」(仮称)の建設予定地、JR大阪駅北側を視察。大阪市は平松邦夫市長が先頭に立って、立体模型で説明につとめるやら、大阪城公園ヘ人力車に一行を乗せて案内するやら、堺市のナショナルトレーニングセンターで子どもたちの練習風景を見せるやら、大はりきり。
 JR大阪駅北側の旧梅田貨物駅跡地、梅田北ヤード二十四ヘクタールは、大阪に残った最後の一等地といわれ、東側の先行開発区域「ナレッジ・キャピタル・ゾーン」は一部商業ビルなどが着工しているが、西側はまだ全体計画がすっかり決まっているわけではない。ここに昨年サッカー・スタジアム建設計画がもちあがり、最初は五万人収容の競技場という話だった。日本にワールドカップを招致するにしても、FIFAは開幕・決勝戦は八万人以上収容の会場を求めているのに、国内にそんな施設はない。そこで、北ヤードのスタジアムを一気に八万人規模とする案が浮・・・