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社会・文化

《日本赤十字社》

血液事業「独占」で利権の巣窟に

2010年10月号

 災害救援などの活動で我が国を代表する日本赤十字社(日赤)は、日本赤十字社法に基づいて設置された特殊法人だ。同法第一条には、「赤十字の理想とする人道的任務を達成することを目的とする」とある。その日赤が、内部に深い闇を抱えていることはあまり知られていない。独占で行っている血液事業で、国民の命に関わる深刻な事態を招いているのだ。いま、日赤のあり方が問われている。
 日赤は、一八八六年、明治政府がジュネーブ条約に加入したことを契機に、正式に発足した。当時、欧州の王室が赤十字活動に熱心であったことが影響したのか、我が国でも昭憲皇太后(明治天皇皇后)をはじめ、多くの皇族が赤十字活動を支援した。こうした事情もあり、戦前の日赤の管轄は宮内省であった。現在でも、名誉総裁は美智子皇后、名誉副総裁には皇太子夫妻など大勢の皇族が名を連ねる。
 日赤を支えるのは、約一千六十四万人の個人社員と十五万の法人社員だ。その活動は、基本的に彼らが支払う社費と一般からの寄付金で賄われている。二〇〇九年度の決算書によれば、その会計規模は四百三十億円にのぼる。
 日赤の活動は、国際救援活動・・・