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連載

あるコスモポリタンの憂国 連載46

英国大使館における武士道・騎士道談義
紺野 大介(清華大学招聘教授)

2010年11月号

 数年前、東京・半蔵門にある英国大使館において東大名誉教授である三浦登先生の名誉大英勲章OBE(略称省略)の叙勲式典があり、ご招待をうけ大使公邸に出席した。赤坂にある管理容器的な米国大使館に比し、ギリシア神殿風の英国大使館。三浦先生は東大で学ばれた後、英オックスフォード大学クラレンドン研究所へ留学、帰国後・東大物性研究所で教授を務められた。英国だけでなくドイツのドレスデン・ライプニッツ固体物理研究所名誉教授、ベルリン・フンボルト大学名誉教授の称号など授かっている強磁場研究の権威のお一人である。筆者との関係でいえば、むかし乃木坂にあった生研(生産技術研究所)に通っていた頃、隣棟が物性研で偶にお見かけしていた。それよりも一九八〇年代後半頃から、レーザーテック社オーナーの提供する音楽サロンが南青山にあった。不定期だが室内楽やピアノソナタの独奏会、時にはウイーン・フィルのメンバーによる即席演奏会など七~八年ほど続いた。演奏後は音楽家も交えワインパーティ形式で歓談でき、常連であった三浦先生ご夫妻共々親交させて戴いて以来のお付き合いである。
 女王陛下による叙勲は、英国との関係発展に顕著・・・