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好調インドネシアが抱える「不安」

経済ブレーン不在のユドヨノ政権

2011年1月号

「滑走を続けながらも永遠に離陸できない」と長年言われてきたインドネシア経済が、今ようやく念願の離陸を果たし、順調に高度を上げているようにみえる。その裏には数字だけでは見えてこない、インドネシアの変身ぶりがある。しかし、その光の陰で不安要素もある。現在の状態を「バブル」とせずに「本物」の成長にできるかどうかユドヨノ政権の手腕が問われている。

拡大する「格差」


 六%を見込んでいた二〇一〇年の経済成長率は、八月の上方修正に続いて、十一月には六・四%に修正された。この五年で、国民一人当たりのGDPは一千三百二十ドルから二千五百九十ドルとほぼ倍増。通貨インドネシア・ルピアも対米ドルで上昇しており、過去一年でその上昇率は二五%前後だ。
「現在、ジャカルタを中心とする都市部では、かつては見られなかった中間層が着実に育っている」
 全国紙記者がこう語るように、中間層の旺盛な消費マインドは現在の成長を後押しする。
 ローンの金利が低水準で推移していることを反映して、自動車や二輪車購・・・