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政治

《罪深きはこの官僚》佐藤直良(国土交通省河川局長)

「無駄ダム」濫造の推進者

2011年1月号

 農林水産省が手掛けた諫早湾干拓事業では水門の常時開門という歴史的な判断が下ったが、「止まらない大規模公共事業」のもう一つの典型である国土交通省のダム事業の方は、「コンクリートから人へ」という民主党の理念を覆し、目玉公約「八ッ場ダム中止」を見事骨抜きにしたのは周知のとおりだ。その「功労者」が佐藤直良・国交省河川局長だ。
 評判は「ダム推進の方針に沿って動く“優秀”な役人」(河川局OB)。政権交代直前の二〇〇九年七月、河川局長となった佐藤は、大臣就任早々にダム中止を表明した前原誠司国交相(当時)の“洗脳”に成功し、公約変更を勝ち取った。九月二十三日に現地入りした前原は、河川官僚の案内で完成済みのトンネル群を次々と視察していった後、「ダム本体工事は中止するが、それ以外の生活関連事業は継続」と表明してしまったからだ。実質的な公約違反に近い問題発言だった。
 八ッ場ダム本体工事(約六百二十億円)は総事業費(四千六百億円)の七分の一以下にすぎず、税金の無駄遣い撲滅という公約実現効果は大幅に矮小化された。ダム予算確保が権益に直結す・・・