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イランに敗北の日は来ない

米国と世界を疲弊させる「消耗戦」

2026年4月号

 ハメネイ最高指導者を殺害すれば、イラン体制は動揺し、国家としての統治能力も急速に失われる―。米国やイスラエルには、淡い期待があった。だが、幻想は見事に崩れ去った。新たに最高指導者に就任したモジタバ師は、米国との緊張緩和に向けた周辺諸国による仲介を拒み、妥協よりも抗戦を選んだ。イランが米国相手に徹底抗戦を続けられる強さの源泉はどこにあるのか。その鍵を握る1人の人物がいた。
 3月16日、米国とイスラエルはアリ・ラリジャニ国家安全保障最高評議会事務局長を暗殺した。しかし、わずか8日後の3月24日、イランは速やかに革命防衛隊出身のモハンマド・バゲル・ゾルガドル氏を後任に指名した。イラン革命前からパフラヴィー王制打倒のゲリラ活動に参加し、イラン現体制では、革命防衛隊の国政支配を主張する強硬派だ。米国とイスラエルの斬首作戦は、イランの対決姿勢を弱めるどころか、より軍事色の強い指導体制へとシフトさせた。
 物理的な破壊も、イランの意志を強固にしている。イランは4千回を超えるミサイル・ドローン攻撃で、周辺国の米軍基地やインフラ施設を脅かし続ける。
 この鉄壁の軍事ドク・・・

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