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経済

孫正義が操る民主党人脈

目に余るロビー活動

2011年1月号

 NTT組織分割をめぐる孫正義ソフトバンク社長の野望は、最終的に不発に終わったが、終盤戦でみせた追い上げは目を見張るものがあった。孫社長や原口一博前総務相が主張するブロードバンド政策「光の道」は、学識者による作業部会「ICTタスクフォース」からは見向きもされなかったが、形勢不利とみるや、民主党議員への各個撃破に転じたのである。
 嶋聡室長(元民主党衆院議員)率いる社長室の実動部隊は、嶋氏の補佐役として荒井聰前国家戦略担当相の子息を登用して陣容を拡充。積極的なロビー活動を展開している。自らへの利益誘導としてロビイストを自任するのならよい。それを国家大計のための革命のごとく振る舞う姿に眉をひそめる向きも多い。

痛々しいほど心酔する若手議員


「どうしてたった七人の作業部会の非公開議論で我が国の将来のインフラを方向付け出来るのだろう」(二〇一〇年十一月二十日、孫社長のツイッター)。
 一〇年九月、盟友である原口一博総務大臣が閣外に去ると、孫社長は議論の「密室批判」を急に始めた。噴飯も・・・