三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

政局の鍵握る公明党の「迷走」

払拭されない「池田健康不安説」

2011年2月号

 公明党は政権に協力するのか否か。政局の鍵が、この党と、支持母体の創価学会にある図式は昨年の参院選以降変わっていない。
 民主党の態度は変化した。先の臨時国会では「公明党取り込みが最優先課題」だったのに、菅直人総理大臣が昨秋、池田大作・創価学会名誉会長ゆかりの東京富士美術館を突然訪問したほかは、何の工夫もなく時を過ごした。それが、通常国会召集の直前になって、「ポスト菅」にも名のあがる中堅らが公明党議員に接触し、「今、創価学会は誰が動かしているのか。正木(正明・理事長)か、八尋(頼雄・副会長)か、谷川(佳樹・同)か」と尋ねて回り、「今頃、こんなことを聞くなんて」と失笑を買った。東京都知事選で共通候補を支援しようという呼び掛けにも、公明党は態度を決めかねている。
 ただ、内閣改造で「仏敵」だった仙谷由人が官房長官を退任し、菅が年金改革を巡り、公明党の主張でもある「社会保険方式基軸」を受け入れる可能性を示唆したことで、雰囲気は変わっている。
 山口那津男代表は一月二十三日の自民党大会で来賓として挨拶し、「政権与党の混乱ぶりは目に余る」と厳しく非難する一方、・・・