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連載

西風 357

橋下ケンカ旋風衰えず
八木亜夫

2011年2月号

 


 関西は、年が明けても、相変わらず橋下徹大阪府知事に振り回されているように見える。暮れに発足した関西広域連合は、井戸敏三兵庫県知事が連合長にすわり、連合議会もできたが、なにかにつけてバタバタ走り回り、ほとんど連日マスコミに登場するのは、橋下知事。それも、あっちでぶつかり、こっちで言い合いと、まるでドンパチを恐れない「ケンカ民主主義」の見本のような毎日だ。
 橋下知事のねらいは、四月の統一地方選で、大阪・堺市議会の過半数を自身の大阪維新の会のメンバーで制し、持論の「大阪都」の実現への一歩を踏み出すこと。そのためにできることなら、なんでもやると、公言している。大阪都構想に猛反対の平松邦夫大阪市長との確執はいよいよ激しく、最近では寄るとさわるとモメつづけているが、竹山修身堺市長との関係もおかしくなってきた。竹山市長は、もともと橋下知事の支援で現職に勝ったのだが、大阪都構想では堺市が区に分割されるとあって、市議会がいうことをきかない。竹山市長はしだいに都構想に慎重になり、いまでは橋下知事とうまくいかなくなってきた。「大阪市長も堺市長も、ど・・・