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免責を盾に支払い渋る損保に 政府筋が迫る被災地整備拠出金

2011年5月号公開

 


 東日本大震災を受け、巨額の保険料支払いに怯える保険業界。生命保険各社は不払い問題から一転、消費者の信頼を勝ち取るのに躍起だ。自然災害被害の損害は本来、約款で保険金支払いが免除されているが、この免責条項を適用せず死亡保険金や各給付金を満額支払う。一方、免責条項を盾に自動車保険の支払いを渋っているのが損保各社だ。

 損保業界では、地震保険加入者への支払い態勢を業界挙げて強化し、航空写真などで被災地域の状況を確認するなど調査過程を省略し、支払いの迅速化をアピールしている。しかし、その陰で自動車には約款通り免責を適用する。政府保証がある地震保険と違い、大地震や津波での車両損害は巨額の負担が発生し、経営を圧迫する。大手の東京海上日動でさえ「自動車保険で今回の損害を補償したら上位三社しか生き残れない」と言い切る。

 だが万一の際に備えるのが保険。「約款を盾にした不払い」との誹りも免れない。しかし、ここにきて政府筋からは自動車保険の件は追及しない代わりに、今後、国が手がける被災地の湾岸整備事業などに多額の拠出金を損保に要求する、との見立ても浮上している。業界関係者からは「自動車補償と拠出金、どっちに転んでも経営には大打撃」との嘆きも。


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