《土着権力の研究》福岡県 藏内勇夫県議会議員
古賀誠も頭を下げる「土建利権」のドン
2011年5月号
二〇〇九年夏、先の衆議院選挙の前のことだ。東京都内の喫茶店で、自由民主党の道路族のドンである古賀誠は頭を下げていた。相手はある福岡県議会議員だ。
古賀は県議に自身の選挙対策本部長への就任を依頼していた。そしてその県議とは、今や福岡県の最高実力者と目され、福岡県自由民主党県議団会長を務める藏内勇夫である。
福岡県筑後市生まれの五十八歳。県議選は初回こそ敗れたものの、一九八七年の初当選以降、七期連続当選を続け、〇一年には県議会議長も務めている。この間、藏内は昔ながらの「土木利権差配」の力を蓄えてきたのだ。地元の市議会議員が言う。
「藏内さんに票を入れんと公共事業がもらえなかった。建築土木関係者が一致団結して推すんやから、負けるわけがなか」
四月十日に投開票が行われたばかりの福岡県議会議員選挙でも藏内は無投票で当選した。今や、公明党の協力なくしては当選すら覚束ない古賀誠がすがるのも道理である。
特定企業との「癒着疑惑」
地元の人間は、「藏内は若い頃は決・・・