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経済

東電をしゃぶり尽くすアレバ

デタラメ処理技術で火事場泥棒

2011年8月号

 東京電力福島第一原子力発電所の高レベル汚染水の処理が遅々として進まない。汚染水処理システムは当初、米キュリオン社の装置の不具合が目立ったが、ここにきてフランスのアレバの装置でミスが出始めた。高レベル廃棄物の水分が想定以上に多いため、アレバの装置に新たな対策が必要になるという重大な問題も発覚している。水処理設備の契約でアレバは、「日本側の見積もりより十倍も高い金額を提示してきた」(東電関係者)ともいわれており、福島第一原発事故を食い物にしようとするアレバの強欲ぶりが日に日に顕著になっている。

「設計ミス」で度重なる漏水


 現在、福島第一原発に組まれている水処理システムは、まず東芝の装置で油を取り除き、その後にキュリオンのセシウム吸着塔で汚染水を浄化する。その水をさらにアレバの凝集沈殿装置にかけ、最後は日立製作所の設備で塩分を除去した上で原子炉に戻す仕組みだ。関係者の間では、このつぎはぎだらけのシステムに当初から不安の声が上がっていた。
 凝集沈殿装置における設計の杜撰さを端的に示すのが・・・