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経済

パチンコにのめり込む三井住友

突出した融資残高

2011年9月号

「まともに融資の話ができるのは三井住友くらいしかない」  長年パチンコ業界に関わる関係者は、現状をこう語る。  三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)のパチンコ業界への融資残高は、他行に比べて大きい。「のめり込み」とさえいえる異様な姿勢は、貸し倒れのリスクがあるばかりでなく、コンプライアンス(法令順守)の面での懸念も抱える。  現在の銀行業界で、各行とも安定大企業以外の融資部門は、「どのように稼ぐか」頭を抱えている。特に二〇〇九年から施行された「中小企業金融円滑化法」による返済条件変更要請は殺到しており、この状況は少なくとも来年三月まで続く。  こうした中で、パチンコ店は銀行としては数少ない「旨い」融資先だ。低金利時代の昨今、一般の企業が一%台で借りているなかで、四~五%という「高利」でも平気で借りてくれるからだ。  しかしこの業界は言うまでもなくギャンブルだ。直接換金できないところを、「三店方式」で合法化しているに過ぎない。パチンコ台メーカーの上場が認められながら、優良ホールチェーンが一つも上場できていない理由はここにある。

他行撤退案件にも融資

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