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経済

巨大テストコース建設で環境破壊に手を染めるトヨタ

経済●情報カプセル

2011年9月号公開

「プリウス」などのハイブリッドカーの販売で「エコ企業」のイメージが強いトヨタ自動車が、地元で自然破壊に手を染めようとしており、周囲の強い反発を招いている。絶滅危惧種の野鳥のサシバや渡り鳥のミゾゴイの営巣などが確認された自然豊かな里山に、巨大なテストコースを建設しようとしているのだ。

 建設予定地は愛知県豊田市と岡崎市に広がる中山間地。土地の改変面積は二百七十ヘクタールにも及ぶ。ここに、トヨタの開発拠点となるテストコース・実験棟・研究棟・厚生施設などを作ろうとしているのだ。「愛知県企業庁が土地の買収と造成を行い、造成後にトヨタが買い取る計画だ。トヨタが一歩引く形のため、自然破壊の批判は県がまず受けることになる。ただ工業団地と違って複数の企業が入るわけではなく、県が関わる必然性は全くない。トヨタの先兵になって県が汗をかくという“トヨタ王国・愛知”を象徴する事業だ」(地元市議)。

 八月十九日、大村秀章・愛知県知事の諮問を受けた「県環境影響評価審査会」が開かれ、動植物への影響の低減措置などの対策を求める答申書をまとめた。注目は、大村知事の判断だ。環境破壊を伴う巨大開発事業に邁進するトヨタと愛知県―。共に「環境」を旗印にするが、周囲からは「エコ詐欺師」との声も。


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