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連載

日本の科学アラカルト13

二酸化炭素を巡って研究が進む資源としての「利用法」

2011年9月号

 


 ここ二十年ほどで、すっかり悪役にされてしまった二酸化炭素。数ある温室効果ガスの中でも、気候変動の主犯とされ、「取り締まり」の対象とさえなっている。ここでは気候変動(地球温暖化)論の是非は措く。様々な懐疑論があることは周知の通りだが、国際社会という枠組みで定められた排出削減という目標を、日本が単独で放り出すこともできないからだ。

 そして、二酸化炭素排出量削減の切り札の一つであった原子力発電の未来は、現時点では明るくない。「環境に優しい」というのが欺瞞であったことが白日のもとに曝され、誰が政権をとろうとも積極推進は難しくなった。

 この状況下、二酸化炭素削減を果たすために頼れるのは「化学」の力だ。化学的なアプローチにより、二酸化炭素を空気中に排出しないための研究が進んでいる。

 人工光合成―。この技術は広くは太陽光エネルギーの利用を意味し、太陽光発電もここに分類されることがある。狭義には、植物が光合成の過程で二酸化炭素を体内に固定しているように、人工的に二酸化炭素を固定する方・・・