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社会・文化

転機迎えた「自転車後進国」ニッポン

歩道は歩行者のもの

2011年12月号

 十月二十五日、警察庁は「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について」と題する通達を出した。新聞各紙は「自転車は、車道を走れ」といった見出しで報じ、実際に、警察による歩道走行の取り締まりが行われた。  今回の通達は警察庁が、これまでの誤りを認めたに等しいという点で、画期的だ。自転車対歩行者の事故は一九九九年からの十年間で三・七倍に増加しており、自転車を歩道から追い出すことは喫緊の課題だった。これまでの警察当局の不手際が、歩行者を危険にさらしてきたのである。  自転車は車道の左側端を通行するという大原則は、六〇年の道路交通法施行当初から今日に至るまで、綿々と引き継がれている(第十七条)。一方、自転車の歩道通行は七八年の道路交通法改正で盛り込まれた(第六十三条の四)が、通行を認められた歩道は日本全体で半分にも満たない。  にもかかわらず警察が取り締まることはなく、前述した道路交通法改正が最大限に拡大解釈され、歩道通行が推し進められてきたことは周知の通り。  そもそも歩道を車両である自転車が走行することは、世界的に見れば「蛮行」である。傍若無人な自転車が・・・