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連載

西風 369

大阪市役所は「総イエスマン化」
八木亜夫

2012年2月号

 


「ものすごいスピード。議論だけで十年、十五年かかることが、一カ月で動き始めた」。大阪市の橋下徹市長は就任一カ月となる一月十九日の記者会見で、市役所職員が完全に自分の意のままに動き始めたかのような発言をしてみせた。

「外郭団体の全廃」や「市営地下鉄の運賃値下げ」など、市役所内での議論の前に、まずテレビカメラの前で好き放題に話し、職員に実現を迫る。世論受けするテーマだけに「橋下人気」は上がる一方で、職員らには抵抗の術もなく、すでにあきらめムードが漂う。

 意思決定のスピードを求める橋下氏のツールは、市幹部宛てのメール。常にパソコンを持ち歩き、正月も、休日も、深夜も、矢継ぎ早に発信し、「検討を」「戦略を立てて」と回答を迫る。

 ある幹部は、金曜夜から土日にかけて、橋下氏から十数通もメールが届き、驚いた。メールは知事時代からも多用していたと聞き、いつでも内容を確認できるようにとパソコンから携帯電話に自動転送するように設定したが、あまりに大量のメールを受信したため、携帯の容量がオーバー・・・