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《世界のキーパーソン》朴道春( 朝鮮労働党書記)

抜擢されたミサイル発射総責任者

2012年4月号

北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」に向けて、カウントダウンが始まっている。ここ数年、今年四月十五日の金日成生誕百年に合わせた「強盛大国入り」を内外にアピールしてきた北朝鮮にとって、最重要プロジェクトだ。


 その直接の責任者が朴道春党書記だ。朴書記は、二〇一〇年まで北朝鮮のミサイル、核開発の現場を取り仕切っていた前党軍需書記の全炳浩の後継者である。

 金正恩は、二月十五日に自身初となる将官人事を行ったが、朴書記はこのときに「大将」の階級を得ている。朴がいわゆる軍人ではないことを考えれば、極めて異例の抜擢であることが窺える。

 つまり、このときから今回のミサイル発射の布石は打たれていたのだ。金正日総書記の死去後、後継者となった正恩は繰り返し軍を訪問している。朴書記はその際に同行するケースも多かった。北朝鮮のメディアによれば、今年一、二月に行われた正恩の現地指導は二十五回。そのうち、朴書記も九回同行しており、信頼・・・