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経済

《企業研究》第一生命HD

顧客より「株主優先」の異常経営

2025年12月号

「金融のエグゼクティブ」向けメディア、NIKKEI Financialの創刊5周年を記念したイベントが11月12日都内で開かれた。
「変革のリーダーシップ」。こんなタイトルで編集長と対談したのは、第一生命ホールディングス(HD)の菊田徹也最高経営責任者(CEO)。参加者によると、「今もっとも尖った大手金融トップ」と持ち上げられ、登壇したという。
 確かに同社は近年、大胆な策を相次ぎ打ち出している。外部人材を積極登用する一方、業界では異例の「希望退職制度」を実施。来春には社名も「第一ライフグループ」に変える。
 とりわけ業界を驚かせたのが、2024年5月の福利厚生代行を手掛けるベネフィット・ワン買収だった。23年12月、ベネワンに対し、株式公開買い付け(TOB)の意向を表明。先にTOBを実施中だった医療情報サイト、エムスリーに割り込む形となった。国内の伝統的金融機関による「対抗的TOB」は異例のことだった。
 菊田は約1時間にわたって自社の取り組みを饒舌に語ったが、ある視点が決定的に欠けていた。昨今相次ぐ同社の不祥事について、一言も触れなかったのだ・・・

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