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経済

三井住友を追いつめる「五重苦」

「出口なき問題企業」ばかり背負う

2012年4月号

 合わせて一兆七千億円超―三井住友銀行(SMBC)が主力行となっている経営不振大口融資先五社が、今年三月期に計上したとみられる最終損失の総額だ。二〇〇九年三月期の日立製作所と並び国内製造業としては過去最悪級の赤字となったパナソニックの七千八百億円を筆頭に、東京電力六千九百五十億円、NECとマツダが各一千億円、そしてオリンパス三百二十億円と続く。  しかも東電、NECは二期連続、マツダは四期連続という、まさに「赤字垂れ流し」(メガバンク関係者)の状態だ。パナソニックにしても七百四十億円の最終黒字だった一一年三月期を除けば、ここ四年間でみると実に約一兆二千億円もの利益剰余金が吹き飛んでいった計算になる。「五重苦」―SMBC関係者らの間で、半ば「やけくそ気味」にこう呼ばれている所以だろう。

収益改善の決め手を欠く融資先

 深刻なのは、内視鏡で世界シェア約七割と圧倒的な強みを持つオリンパス以外は、いずれの融資先も収益改善の決め手を欠き、再生への道筋を明確には描き切れないことだろう。福島第一原子力発電所の事故でいまやほとんど「脳死状態」の東電は無論の・・・