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政治

「橋下=安倍」連携の現実味

思想的にも打算的にも「相思相愛」

2012年6月号

 民主、自民両党など既存政党による「決められない政治」に国民がほとほとうんざりする中で、今や、政界再編のキーマンの一人が大阪市の橋下徹市長であることは疑いようがない。  ところがその橋下氏は、大阪維新の会を国政進出させて政界のキャスチングボートを握る際、誰と組むかの「意中の人」をなかなか明かそうとせず、周囲をじらし続けている。  民主党の小沢一郎元代表や前原誠司政調会長、東京都の石原慎太郎知事、みんなの党の渡辺喜美代表……と、橋下氏に秋波を送る政治家は数多い。とはいえ、橋下氏はその気にさせておいてつれない素振りで振り回すばかりだ。  いったい橋下氏は、どんなビジョンを描いているのか―。

「首相再登板の話が出た」

 維新の会は現在、次期衆院選に三百人程度を擁立し、二百議席を獲得して比較第一党となる大目標を掲げている。  だが、これがブラフに過ぎないのは周知の通り。維新の会の候補者は三月に開講した維新政治塾の塾生約二千人を中心に選定することになるが、塾生は「玉石混交どころか石ころばかり」(橋下氏周辺)であることは、橋下氏自身、・・・