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深刻化する中国の「薬物汚染」

共産党と黒社会は「共同正犯」

2012年7月号

「周辺国から大量の薬物が流入し、このままでは中毒患者で溢れる」  上海に拠点を置く中国人ジャーナリストはこう警告する。  一般に、中国の薬物取り締まりは厳しいとされる。しかし近年、薬物汚染は深刻化する一方だ。中国が昨年公開した公安部報告によれば、二〇一〇年に検挙された薬物事犯は九万件弱で、二十年前と比較して十倍に増加している。押収量も多く、没収されたヘロインは約五トン、メタンフェタミン十トン、大麻は三トンを超えた。

「三つのルート」で流入

 中国国内で薬物中毒患者のケアを続けるNGOの代表は「雲南省はゴールデン・トライアングル、また、新疆ウイグル自治区はアフガニスタンや中央アジア諸国、ロシアと国境を接していることが原因」と指摘する。  雲南省では昆明が一つの集積地だ。黄金の三角地帯で「生産」される薬物や原料は、近年では空輸ルートでも流入する。ウイグルでは、ウルムチを中心として、国内外のウイグル人ネットワークを使った麻薬組織が存在している。  北朝鮮からの流入も止まらない。中国東北部の貿易商は、政府関係者から「遼寧省大連に本社を・・・