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遠ざかる韓国

「対日強硬」は一時的現象ではない

2012年9月号

「またかと思っているだろうが、今回はこれまでとは違う。機が熟していた韓国の対日姿勢転換のきっかけに過ぎない」  日韓関係を長年取材し続けてきた在ソウル韓国人記者はこう語る。  李明博大統領の竹島上陸、天皇陛下への謝罪要求、首相親書の受け取り拒否と、これまでの認識を覆す動きが立て続けに起きている。  振り返れば、歴代韓国大統領は、任期切れ間際になると国民受けを狙った行動に出てきた。在任中に南北首脳会談が実現すれば歴史に名も残せるだろうが、李大統領のようにその望みがなければ、対日強硬パフォーマンスに走らざるを得ない。

「ジャパンスクール」の凋落

 そもそも、今回の伏線となった六月の日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の署名拒否からして、極めて異様な出来事だった。軍事情報共有と秘密保持のための同協定は、米国が強く望んだものだ。土壇場になって韓国国会が騒ぎ出し、すでに「レームダック」と化している李政権は日本側に一方的に署名拒否を通達した。  七月上旬、韓国政府は同協定の担当者である青瓦台の金泰孝対外戦略企画官と、外交通商部の趙・・・