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WORLD

全貌現す中国新指導部体制

常務委員七人の顔触れ固まる

2012年9月号

 中国共産党の権力闘争の場、「北戴河会議」が八月中旬に終わった。河北省の保養地、北戴河にある、外界から遮断された党高官専用のコテージに集まった党、軍の長老、現役指導部による大がかりな密室談合である。この場で秋の党大会の焦点となる党中央政治局人事の原案が提示され、了承を受けた。  八月十五日には、党大会警備本部が正式に発足したことで、あとは党大会を待つだけとなった。これまでは十月一日の「国慶節」(建国記念日)を祝った後に開かれることが多かったが、今回に限っては、春に起きた薄熙来・前重慶市党委員会書記の失脚以来、党内抗争が激化しているためだ。北戴河会議の勢いが衰えないうちに、開会日を九月下旬に繰り上げて、一気呵成に胡錦濤指導部から習近平指導部への交代を図るという情報が流れている。

バランス優先の人事

 北戴河会議は非公式な談合なので、いつ始まったとも終わったとも公表されないのが普通だ。ところが今回は、八月三日のテレビニュースで習近平国家副主席、李源潮党中央組織部長の北戴河入りが伝えられた。習近平は党中央政治局の常務書記として党人事案作成の責・・・