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韓国「財閥共和国」が岐路に

国民の不満と「外圧」強まる

2012年10月号

「財閥への逆風は過去に例がないほど強まっている。国内の不満を無視して財閥が韓国経済の牽引役を務めるというシステムが限界に近付いているのかもしれない」  韓国の財界重鎮はこう嘆息した。 「財閥共和国」とまで評される韓国の財閥による経済支配は強力だ。同国経済が右肩上がりを続けてきた原因は、ウォン安とともに、強力な財閥の存在とそれに起因した中小企業、国民苛めに依るところが大きい。  ここにきて、サムスン、現代、SK、LGといったメガコンツェルンへの批判は頂点に達している。韓国財界にとって頭痛の種は、国内からの批判だけでなく「外圧」も強まっていることだ。

強まる「経済民主化要求」

 今夏、北米での販売を順調に伸ばしてきた財閥二位の現代は大きく躓いた。七月に国内の完成工場三カ所で労働組合がストに突入した。八月下旬にも部分ストが行われた。これが生産台数減少に直結し、米国向け輸出は六月の三万六千台余りから一気に一万台減少して七月の北米販売台数は二五%も下落した。八月にもこの影響は残り、米国における市場シェアが四・八%(前月五・四%)に下落している・・・