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収まらぬ中南海の権力闘争

習近平は保守派に再転向か

2012年10月号

 ついに中国全土で反日デモが火を噴いた。「釣魚島を奪い返せ」と叫ぶ「保釣」(釣魚島奪還の反日運動)団体の扇動に乗った若者の「愛国無罪」デモはこれまでもあった。だが今回は、鉄パイプを手にした暴徒が、日本企業の工場やショッピングセンターを打ち壊し、焼き討ちした。凄まじい破壊の手際を見れば、素人が浮かれてやったことではない。地方の公安当局の手先となって、立ち退きを拒否する市民の住居を重機で壊す、「黒社会」と呼ばれるプロの地上げ屋の手によるものだろう。  彼らはパナソニックの工場や日本車の販売店を標的にした。ここには明確な「メッセージ」が込められている。パナソニックといえば、中国人は誰もが?小平を連想するのだ。?小平が日本を訪問した際に視察した企業が、パナソニックの前身、松下電器産業と新日本製鐡、日産自動車だった。  その?小平の訪日は一九七八年、日中平和友好条約の批准書交換のためだった。この条約をまとめるために、?小平が提案したのが尖閣諸島の主権問題棚上げだ。中国の軍や保守派のなかには、今でも?小平の・弱腰外交・に強い不満が渦巻いている。パナソニックを標的にしたことは、松下政経塾・・・