「尖閣を巡る四月以降の一連のドタバタは茶番。そういう意味で習近平の発言はある意味正しい」 　外相経験のある自民党重鎮はこう評した。中国の次期国家主席である習近平は、九月十九日の米国務長官パネッタとの会談の席上、日本による尖閣国有化について「茶番」と評した。もちろん、この重鎮は、中国に与するものではない。東京都知事石原慎太郎が突如としてぶち上げた都による尖閣購入計画を巡る騒動が、石原が勝手に騒いだ茶番に過ぎないというのだ。日本企業が大損害を受けたデモを引き起こし、日中関係を無駄に悪化させたという点では、「ただの下手な芝居では片付けられない」と嘆息する。

面子は丸潰れ

　尖閣購入については、本誌九月号「政治カプセル」で報じた通り、国による購入で決着した。石原は勝手に踊り、勝手に消えていった。ある民族団体関係者はこう語る。 「石原の尖閣購入計画と、もたらした結果を見れば彼を評価する愛国団体はないだろう。石原の『愛国ごっこ』により尖閣はむしろ不安定化した」 　尖閣が日本の領土であることは、石原が都による購入計画を持ち出す前から動かぬ事実である。・・・