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政治

《政界スキャン》

佐藤栄作に注目したい

2012年11月号

 年初からリーダー論がさかんだった。世界各国のトップ交代の年ということと、世界的にリーダー不作というか、冴えないという不満も背景にあったと思われる。

 今年もあと二カ月で暮れる。日本では、民主党代表に野田佳彦首相が再選されたが、野田で年越しするかどうかはわからない。また、自民党は結党以来はじめて安倍晋三を二度目の総裁に選んだ。早晩衆院選が行われれば、自民党の比較第一党は確定的で、安倍首相が誕生するとみられている。

 しかし、国民の側はどうも落ち着かない。野田の影は日々薄れ、一方、「安倍になっても長くないだろう」
 という噂が早くも流れる始末だ。首相が小刻みに代わるコロコロ現象がやみそうにないことへの不安が根強い。

 なにかにつけ、「三角大福中」時代が引き合いに出されるのも同じ理由からで、この五人で一九七〇、八〇年代の十五年間を背負った。平均寿命は三年だ。

 そのあとがひどい。シンガリの中曽根康弘のあとは、竹下登から野田まで、二十五年間に十七人、一政権一年半のコロコロ現象が常態となったのだ。・・・