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経済

「円売り」に転じた投機筋

日銀緩和で強まる「円安株高」基調

2012年12月号

「いやぁ、驚いたね。今回発表した幾つかの措置を外国人が利用し、結果として円安になるのは『大いに結構です』と涼しい顔をして言ったんだから。これまでのBOJ(Bank of Japan)にはなかったことだ」  こう語るのは、日本の国内情報を専門に扱う大手ヘッジファンドの日本人エージェント。日本銀行のある幹部へインタビューした際の一幕だという。  十月三十日の日銀による追加金融緩和策に反応して、シカゴの通貨先物市場でのヘッジファンドのポジションが劇的に変わった。円買い(ロング)と円売り(ショート)の差引残は三万枚のプラスから四万枚のマイナスへと転じ、その後もマイナス幅は増加している(十一月十二日現在)。円の売り越しは実に半年ぶりだ。  いまヘッジファンドは「金買いと同時に、円売り、日本株買いが完全に投資戦略の主流になった」と別の大手ヘッジファンドの運用担当者が明かす。

「もう円高は終わった」

 投資のプロたちの心を最も強く動かしたのは何か。「基金」である。 「資産買入等の基金」―銀行などが貸し出しを増やした場合、増加分を最長四年、金・・・