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社会・文化

満足度一位「北海道大学」の魅力

北の大地に育まれたリベラルな世界

2012年12月号

 世に三大寮歌の学校といえば、東京大学と京都大学と、なぜか北海道大学である。  七つの旧帝国大学のうち、もっとも北にある大学。  先頃、日本経済新聞が発表した調査では、ビジネスパーソンの卒業大学満足度ランキングで北大が一位となった。このアンケートは、教育内容や、施設、イメージなど限られた項目の回答ではあるが、北大卒業生の満足度は一〇〇%と完璧だった。北大の魅力とは何か。  北大の学生の出身地は、昔も今も半数以上が北海道外だ。それも距離的に近い東北に限らず、全国から学生が集まる。九州大学や名古屋大学では八割近く、大阪大学や京都大でも六割前後が地元圏域の出身者で占められるなど、多くの国立大学で地元色が濃い中、北大は東大、東北大学と並んで「全国区」の傾向が強い。  道産子学生といえども、相当数が札幌を遠く離れた道内各地の出身者で、つまり、多くの学生が見知らぬ土地で、それこそ方言も異なる多様多彩な人材と触れ合うことになる。 「内地」育ちにとっては、全く異なる北方寒冷地の自然だ。そうした環境で、多感な青年期を過ごす日々は、貴重な体験を重ねることができる。故郷に戻り、・・・